SHRUNKEN CALF(シュランケンカーフ)について 1

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 ドイツの名タンナー・ペリンガー社の銘革、シュランケンカーフについてのご説明です。

 




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 現在までにWILDSWANSではサンプル製作も含めて様々な種類の革を使用してきましたが、その中でも「これは凄い」と思わせるような革に時々巡り逢ったりします。


 WILDSWANSの革小物に定番革として使用されているベルギーの皮革・サドルプルアップもその類ですし、以前にご紹介しましたイタリアのミネルバ・リスシオ等も、「銘革」と呼びたくなるそんな革です。




 WILDSWANSではどちらかと言うと経年変化を楽しむような、植物性タンニンで鞣された革を使うことの方が多いのですが、それらシブ革とは異なる特性を持つクローム鞣しの革の中にも、時々ハッとさせられる革が存在するのもまた事実です。


 今回は数あるクローム鞣しの革の中でも、WILDSWANSの鞄などではすっかりお馴染みとなっているドイツ・ペリンガー社のシュランケンカーフ(ドイツシュリンク、シュリンクカーフ)について述べたいと思いますが、このシュランケンカーフは所謂エイジングし易い「味出し系」とは違う、どこか理知的で静謐な印象の、ストイックな気品を感じさせる革であると個人的には思っています。

 では、冷たい表情や質感を持つ革なのかというと決してそうではなく、艶かしくも優しさを感じさせる表情である上に、非常に丈夫なので「いいとこ取り」とも言える革です。




 シュランケンカーフはドイツの名タンナー・ペリンガー社(LUDWIG PERINGER Gmbh)が作っている革ですが、このペリンガー社は1864年から主にボックスカーフを中心とした皮革の製作をしています。


 5世代に渡って累積された革鞣しの技術や経験と、近代的な製造方法を結合させることで常に安定した最高品質の革を供給するタンナーで、ドイツに於けるボックスカーフ製作を牽引しているタンナーでもあります。


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 カーフ(生後6ヶ月以内の仔牛)という素材は、極めて稀に植物性タンニンで鞣されることもありますが、しなやかで肌理細かく柔らかいという利点を活かすため、基本的には殆どがクロームで鞣されます。


 植物性タンニンで鞣す場合は鞣し剤も自然の素材を中心としたものですが、クローム鞣しの場合は硫酸クローム等の化学薬品を主に使用するため、排水や鞣し工程に於ける廃棄物の処理の問題は、環境問題を考えると避けて通れない事柄です。

 革を鞣したり染色したりする際に出される排水等の対策義務は、環境への配慮に厳しい制約があるヨーロッパ(特にエコロジー先進国であるドイツ)では厳しいようですが、ペリンガー社の持つ環境へ配慮の哲学もまた厳しいものがあります。




 自社内に完全な水処理・浄化施設を設け、厳しい管理のもと自社から出る排水を元の純度水準の99%にまで回復させ別ルートで送る他、鞣し工程に於ける副産物の大体はリサイクルされるという徹底ぶりなのですが、この徹底した管理の仕方はペリンガー社の特徴でもあるように思います。

 (このタンナーの作る非常にクォリティの高い革にもそれががよく表れています。)


 シュランケンカーフもそうなのですが、革を1枚1枚とってみてもクォリティのバラつきが非常に少なく、品質管理という点に於いては群を抜いた存在のタンナーだと思います。




 続きます。





 


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