2019.02.24 Sunday
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これからの1ヶ月半は憂鬱な雨の季節となりますが、今年の夏はかなりの猛暑という予報がでておりますので、それならばしっかり降ってもらいたいと半ば開き直りの気持ちでブログを書いております。
そこで今回は雨にうたれても、ジメジメした空気でも、どんより暗くても、気持ちは5月の快適さのままでいれるような音楽を家の隅々から厳選してまいりました。
テーマは別世界への旅です。 是非お試しくださいませ。
細野晴臣 / Paraiso(はらいそ) (1978年)
最近僕の母親がドラマ「逃げ恥」を見て星野源さんの大ファンになりました。
CD、DVDを片っ端から購入し、テレビやラジオも全てチェックするというハマりようなのですが、そんな母親から細野晴臣という名前が発せられ大変驚きました。
どうやら星野源さんがとても影響を受けたミュージシャンが細野さんのようで、ライブで一緒に演奏したり、ラジオでトークしたりしているそうです。
それならばと思い、所有する細野さんのCDやレコードを全て引っ張り出して母親に貸したのですが、久しぶりに聴くと新たな発見が多く僕自身も再度ハマって繰り返し聴いております。
今回おすすめの「はらいそ」は75年発売の「トロピカル・ダンディ」、76年発売の「泰安洋行」と同じ路線の志向で、南国の楽園をテーマに(はらいそ=ポルトガル語で楽園・天国の意)、ニューオーリンズ、ハワイアン、沖縄、チャイニーズミュージック、東南アジア等の音楽をごった煮にしたサウンドです。
このように表現するとまとまりのない雑多な音楽のように思いますが、これが本当にびっくりで世界中どこにもない唯一無二の南国の楽園音楽になっているのです。
レコードのA面(1〜5曲目)は昼下がりの東京の雑踏から異次元の世界「はらいそ」に入り込んで行く様から始まり、スティールパンの音色が気持ちよい緩やかなポップソング、中国の港町っぽさを感じる不思議なゆるい感じの曲(曲はハワイのヒットナンバー)、中国風味の沖縄音楽、ニューオーリンズサウンドにオリエンタルなスパイスとマリンバで南国風に味付けされた音楽へとつづいていきます。
B面(6〜9曲目)は夜の世界で、官能的なエキゾチックサウンドから始まり、つづけて神々しいガムランのゴングとリズムボックスの組み合わせ、そしてレゲエのリズムに乗せて「月」の持つある種の力について歌ったもの、最後は南国風のメロウなサウンドの中で「はらいそ」の旅が終わろうとしている、現実世界へ戻るところで締めくくられています。
気持ちよくアルバムを聴き終えると、良い夢を見たあとにしばらくつづく幸福感とでもいいましょうか、ふわふわとした幸せな気分にさせてくれます。
どんな状況においてもこれを聴くと間違いなく現実から別世界の楽園にトリップできます。
梅雨の時期は特におすすめです。
Martin Denny / Latin Village (1964年)
細野さんとくれば外せないのがこちらのマーティン・デニー。
何年か前に一度このブログでも紹介したことがありましたが、エキゾチックサウンドといえばこの人で、世界中の音楽ファンを魅了しつづけています。
星野源さんも以前SAKEROCKというバンドで活動されておりましたが、このバンド名もマーティン・デニーの「Quiet Village」に収録されている曲「Sake Rock」の名前からではないかと思います。
さて今回はマーティン・デニー = エキゾという固定観念から離れ、エキゾ路線に一区切りをつけた後の64年発売のアルバムです。
このアルバムは同じ南国志向でもアルバム名の「Latin Village」のとおりラテンを軸としながら、ボサノヴァの「イパネマの娘」のカバーやジャズっぽいサウンドも取り込んだラウンジ音楽です。
マニアックな音楽であってもエキゾ時代と変わらずの小洒落たキャッチーなサウンドは、いつの時代に聴いても古くなくその場をお洒落で心地よい空間に演出してくれます。
異次元の旅ではありませんが、どんよりとした雰囲気を一瞬でカラフルな世界に変えてくれる最高のBGMに違いはないでしょう。
Stanley Cowell/ Regeneration(1975年)
最後はこちら60年代後半から活動するジャズピアニスト、スタンリー・カウエルのアフリカ民族楽器をとことん取り込んだジャズとアフリカを繋ぐ70年代の名作です。
今回は別世界への旅をテーマにすすめてきましたが、この作品を聴くとこれだけ世界は広いにもかかわらず、自分はほんの僅かな圏内でしか生活していないのだなとあらためて認識させられます。
初めて聴くモロッコの三弦楽器ギンブリ、これは西アフリカからモロッコに連れてこられた黒人奴隷達の伝統音楽にアラブ文化が入ってできたグワナ・ミュージック等で使われているそうですが、その他にも西アフリカに伝わるハープのような弦楽器や、リケンベという親指ピアノ等々、アフリカの民族楽器のオンパレード。全く別次元の世界にトリップした感覚です。
しかしこのアルバムが凄いのは難解にならず、とても耳馴染みがよいところです。
3人の打楽器奏者の作るポリリズムとカウエルのシンセサイザー、そこに男女のヴォーカルが絡み合う1曲目はとても軽快でポップで心地よく、すぐにこの世界に引き込まれてしまいます。
その他にもハーモニカをフィーチャーしたアメリカ南部のブルースやカリビアンサウンドをベースにした曲もありバラエティに富んでいます。まさに世界のブラックミュージックの聖地巡礼の旅といった内容です。
これを聴けば梅雨の不快感などどうでもよくなってしまうのではないでしょうか。
以上、これから迎える雨の季節におすすめしたい3枚でした。
夏本番前、一足先に別世界への旅をお愉しみいただけたらと思います。
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