夏の終わりに/音楽を愉しむ・2016年8月

夏の終わりにお勧めの音楽をご紹介致します。

猛烈な暑さも一段落し、季節の変わり目らしく雨の降る日も多くなってきました。

あっという間に過ぎ去ってしまう夏ですが、このちょっぴり寂しい気持ちになるこの季節は個人的には嫌いではありません。

今年のお盆は茨城県取手市で開催された利根川花火大会に行ってきました。河川敷が広く傾斜のなだらかな斜面で、涼しい夜風にあたりながらのんびりと鑑賞できる利根川は、東京湾や神宮外苑など都心で開催される花火大会とはひと味違った風情がありとても気に入っています。

 

 

 

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今年の夏はこれが唯一の思い出となってしまい別の意味で寂しい限りですが、皆さんには様々な夏の出来事を振り返っていただき、季節の移り変わりを楽しんでいただけたらと思います。

そんな夏の終わりの切ない気分にお勧めの音楽を紹介致します。

 

 

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Guyun Y Su Grupo / Canta Elsa Portal (1961-64年)

こちらは1940代後半〜60年代にかけてキューバで起こったフィーリンという メロウなヴォーカルミュージックがありまして、そのフィーリンサウンドの確立に大きく貢献したギタリスト、グユンの唯一のアルバムです。

フィーリンはコンテンポラリー音楽とジャズのハーモニーをキューバ音楽に取り込んだ、感覚としてはキューバのボサノヴァのような音楽です。キューバの 音楽といいますと以前一度ご紹介したブエナビスタソシアルクラブの音楽にも感じられる、カリブ海に面した国なのに底抜けの明るさはなく、憂いを伴ったなんとも言えないクールさが格好良いのですが、このグユンのアルバムも綺麗なメロディと歌声(ヴォーカルは女性)であるにもかかわらず、どことなく影のある感じがたまらなくクールで、グユンの独特なギター奏法と相まってとても心地よいのです。

キューバといいますと社会主義国家ですが、東ヨーロッパにも感じられる旧共産圏のなんとなく影のある雰囲気が僕はとても好きです。

甘く切ない夏の思い出とともに季節の移り変わりを感じながらリラックスできるアルバムです。

 

 

 

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Marc Ribot Y Los Cubanos Postizos / The Prosthetic Cubans(1998年)

つづいて紹介しますこちらもキューバの音楽です。

キューバの音楽といっても演じているのはニューヨーク出身のギタリスト、マーク・リーボウです。

このマーク・リーボウという人はトム・ウェイツやエルビス・コステロ、マリアンヌ・フェイスフルの作品でおなじみの超個性派ギタリストなのですが、ある時キューバ音楽界の巨匠アルセニオ・ロドリゲスの曲を聴き、その音に感銘を受けて仲間Los Cubanos Postizos(にせキューバ人たち)とともにノリではじめたものがエスカレートしてしまったようです。

リーボウのリズムギターとベース、コンガ、キーボードのシンプルな編成ですが、超個性派リーボウの自由な発想で演じられるキューバ音楽は爽快で夏の終わりの疲れた体にマッサージのように心地よく響いてきます。

そしてやはりなんとなく影といいますかスモーキーな雰囲気が漂っている感じがたまらなく大好きです。

 

 

 

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Boz Scaggs / My Time (1972年)

最後はキューバから離れ、アメリカを代表するシンガー、ボズ・スキャッグスです。

ボズ・スキャッグスというと76年に発売した「シルク・ディグリーズ」以降のアーバンメロウなAORサウンドが日本でも大変人気のあるミュージシャンですが、このアルバムは72年に発売されたまだブレイクする前のソウル・R&B色が色濃く残る作品になります。とは言ってもAORサウンドに向かっていく過程のポップでメロディアスな曲が多く、これに収録されている「Freedom For The Stallion」が僕の中ではとても思い入れの深い曲です。

初めて聴いたのは大学に通っていた頃なのでかれこれ17年くらい前ですが、その時すごく切なくて綺麗なメロディのバラードに感動してしまいました。(ニューオーリンズR&Bの巨匠アラン・トゥーサンの作品です。)

コンピレーションアルバムで知り、解説を読むとその中で「彼女と別れた夜にはこの曲」みたいなことが書かれていました。確かにそういう時に聴くとぴったりだ、なんてその時は他人事のように思いましたが、その数ヶ月後の夏の終わりに僕にも別れがやってきました。

その時涙が溢れ出たのは言うまでもありません。

夏の終わりになるとふと懐かしい思い出として蘇りますが、当時は17年後の今もこの曲を聴いて涙しているとは思ってもいませんでした。

 

なかなか人生はうまくいかないものです。

さて次回は天候も安定して気持ちのよい秋空が広がるころかと思います。

気持ちのよい秋空のもと気持ちのよい音楽を紹介できたらと思います。



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