秋の深まりとともに聴くグッドタイムミュージック/音楽を愉しむ・2015年11月


深まる秋にお勧めの3枚をご紹介致します。
先日(といっても9月のことですが)、横浜赤レンガ倉庫で開催されていた70’sバイブレーションというイベントに行って参りました。
このイベントは70年代の日本の音楽とポップカルチャーを体験できるもので、当時のポスターやレコードジャケット、貴重なアーティスト写真が展示されていることに加え、70年代に活躍していたミュージシャンのライブやトークショー等盛りだくさんでした。
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1979年のYMOワールドツアーに使用された楽器と当時のステージ衣装の展示にはじまり、大滝詠一氏の所蔵品コーナーでは大滝さん愛用のジュークボックスやレコードジャケットで着用していたシャツ等、ファンにはたまらないものが目の前で見る事ができて感涙ものでした(ほとんどが撮影禁止でお見せ出来ないのが残念です)。
そしてこのイベントには40代後半から上の世代の洋楽ファンには懐かしい、伝説のレコードショップ、パイドパイパーハウスが期間限定で復活していたのです。



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このパイドパイパーハウスは1975年〜1989年まで南青山にあったアナログレコードの専門店で、当時日本で手に入れる事ができなかった輸入レコードを買い付けて販売していた珍しいお店でした。
感度の高い音楽ファンが出入りしており、細野晴臣さん、山下達郎さん、佐野元春さんをはじめ、多くのミュージシャンも常連だったそうです。
私は高校生の時に何かの雑誌でそのことを初めて知りましたので、実際に通っていた方と出会うたびに、その頃のお話を聞いて当時に憧れたものでした。
その後名盤探検隊という隠れたロックの名盤を掘り起こして紹介するシリーズがパイドパイパーハウスの店主だった長門さん監修のもとワーナーミュージックより発売されたときには、初めて聴く音楽に感動しっぱなしでした。
そして数年後の2003年秋、今度はパイドパイパー・デイズというシリーズ名で、当時お店が発信していたグッドタイムフィーリングな良き時代の音楽がCD化されたのです。
それから12年が経ちましたが、その間世界中のありとあらゆる音楽を聴き、時に対極のテクノやハウスといったダンスミュージックにのめり込んだ時期もありましたが、今回の70’sバイブレーションによって12年前の興奮が蘇り、今はこれらのぬくもりのある良質な音楽に再度夢中になっています。
イベントの開催と合わせる様にパイドパイパーデイズシリーズの復活、名盤探検隊も新名盤探検隊として2013年より復活しましたので、長らく廃盤になっていたCDも今なら手に入れることができるチャンスなのです。
今回はそんな中から秋の深まりとともにおすすめのグッドタイムフィーリングな3枚を紹介しようと思います。




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Alzo / Alzo(1971年)

アルゾはパイドパイパーハウスが発信した音楽の中でも特に人気の高かったシンガーソングライターで、当時ソロとしてはこれが唯一のアルバムでした。
2003年にパイドパイパーデイズシリーズとして世界初CD化された時には、「こんな良いアルバムがまだあったんだ」と感動し、本当に繰り返し良く聴きました。
CD化の際は本人の消息が不明だったようでなかなか大変だったようです。(感動的な出会いについてはCDの解説に詳しく書かれております。)
1971年リリース当時はすぐにレコード会社のレコード部門閉鎖や、その後移籍した先のレーベルも吸収合併で消滅する不遇に見舞われ、本国アメリカでも市場からすぐに消えてあまり流通しなかったようです。
ジャズから多大な影響を受け、ジャズ界の名プロデューサー、シンガー、ピアニストのボブ・ドロウ(御年92歳で今でも現役です!)を指名してつくられた本作は、ファルセットヴォイスと12弦ギターの織りなすハーモニーが美しく、時にグルーヴィーで、またジャズの小粋なアレンジがアルバム全体を洒落た雰囲気に仕上げています。
このアルバムの後製作されてお蔵入りとなった幻のセカンドアルバム「Taikin’ So Long」も、翌2004年に初CD化されており素晴らしい内容ですので是非併せて聴いてみていただきたいです。



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Peter Gallway/ Peter Gallway(1972年)

ピーター・ゴールウェイもパイドパイパーハウスでおなじみ、フィフス・アヴェニュー・バンドというグループでヴォーカルを務めていたシンガーソングライターです。
フィフス・アヴェニュー・バンドは1969年リリースのたった1枚のアルバムが今でこそ多くの音楽ファンを魅了して名盤と言われておりますが、当時はヒット曲も無く1970年に解散したバンドでした。
僕は先述の名盤探検隊で初CD化された際(98年頃)に初めて聴くことになったのですが、1969年とは思えない洗練されたポップスで、こんなのが30年前に作られたのが信じられませんでした。
ピーター・ゴールウェイはその後、オハイオ・ノックスというバンドを結成(このバンドも短命でアルバム1枚のみ)、そして完全にソロとなってリリースしたのが本作です。
フォーキーかつブルージーな曲も、ジャズやボサノヴァをはじめとした様々なテイストの音楽が織り込まれた独自のアレンジで、まったく古さを感じさせない洒落たサウンドです。
メロディも良く全体的にゆったりした内容は、秋の深まりとともにじっくり味わって聴くにはぴったりです。



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Cyrus Faryar / Islands(1973)

サイラス・ファーヤーは1960年代に結成されたモダンフォークカルテット(MFQ)というバンドのメンバーで、1971年から73年にかけてソロとして2枚のアルバムをリリースしました。
ピーター・ゴールウェイとも親しい関係だったようで、70年頃はサイラス・ファーヤーの所有するロサンゼルス近郊の農場で一緒に過ごしていたみたいです。
そんなサイラス・ファーヤーはハワイ出身ということもあり、このアルバム「Islands」はタイトルの通り自身の音楽的ルーツハワイに立ち返り製作されたものです。
アップテンポな曲は無くゆったりとした曲調で、目を閉じるとハワイの島々の雄大な風景が思い浮かんできます。
11月になり寒い日が増えてきましたが、これからの時期にこそ聴いていただけるとあったかい気分になれるのではないかと思います


以上、秋の深まりとともにお勧めの音楽を紹介致しました。
次回は早いもので今年も最後になりますが、クリスマスや年末年始の楽しい時間にお勧めの音楽を紹介したいと思います。









 


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